長浜市は、豊臣秀吉ゆかりの城下町。
織田家の家臣であった、木下藤吉郎改め、羽柴秀吉は、「今浜」と呼ばれた今の長浜の地に城を築き、信長公の「長」の字を賜り、「長浜」と名づけました。
彦根市は言わずと知れた、井伊家35万石の城下町。関ヶ原の戦功により、徳川四天王の一人、井伊直政は、徳川家康より、旧石田三成領を賜り、西国大名の押さえの役割を果たしました。
近江八幡市は、八幡山城下に賑わった城下町が有名で、この城下町からは多くの近江商人が輩出されています。この八幡山城主であり、近江八幡の町を築いたのは、関白であり、豊臣秀吉の甥である、豊臣秀次です。
それぞれ、観光資源に恵まれた観光地ですが、これまでは観光客もそれぞれの地区を「点」としてしか捉えられておらず、各市側も「点」としての観光振興しかできていなかったという現実がありました。
「点」での観光となると、アクセスの良い関西諸都市からは「日帰り観光」が中心となり、どうしても経済効果が限られてしまい、そのことが観光協会の危機感となっていましたが、それがこのほど「点」→「面」での観光振興を図るという協議会の発足につながりました。
この「点」→「面」という発想は私も大賛成なのですが、「面」で捉えるなら、この三市だけでの取り組みではまだまだ弱いかなと。
「城」というテーマで取り組むなら、やはり最大の史跡である「安土城址」「安土城考古博物館」「観音寺城跡」を組み込む形で、安土町も協議会に参加した方が相乗効果があると思うし、湖北から湖東のエリアにかけでの、広く「歴史」というテーマで取り組むなら、湖東三山や、永源寺などの古寺、五個荘、日野の近江商人エリア、蒲生野の万葉史跡なども含めることが望まれます。
単に、三市だけの協力では、まだまだ「日帰り観光」の粋を突破することは困難であり、最低でも2、3日の滞在型の観光振興を図っていかなければ、宿泊施設を含めた経済効果は大幅にはあがっていかないのではないでしょうか?
「面」という概念を最大限に活用するなら、やはり滋賀県全体を「歴史」なりの大テーマでくくった戦略的な観光振興策を図ることも必要です。
「歴史」というテーマに「自然」というテーマを掛け合わせれば、どの他都道府県にも真似のできない一大「テーマパーク」に本県はなりうると確信します。
そのためには、対外的な発信のためのキーワード、ブランドが必要になってくると思いますが、それこそ、「近江ブランド」の出番ではないでしょうか?
先の、「びわ湖城下町観光協議会」のネーミング。
「城下町」という単語を入れるなら、
「近江城下町観光協議会」
の方がイメージわきやすいんではないでしょうか??
「自然」に関するものには「びわ湖」「琵琶湖」
「歴史」に関するものには「近江」
の単語を使い分ける。
ちょっとしたことだが、「ことば」にもこだわりを持つ、そんなことも観光振興や、情報発信には必要だと思います。