今週くらいから、田んぼの刈り入れもぼちぼち始まったようです。
いよいよこれから実りの季節となりますが、その大地の恵みを育む農業にとって一番大事なものは何かというと、何といっても「水」であります。
今週半ば、地元東近江市選出の四人の県議会議員そろって、市内を中心とした、「愛知川沿岸土地改良区」の水利施設の現地調査を行いました。
県内一の生産力を誇る、東近江地域の農業にとって、先ほど述べた通り、まさに「水」は宝でありますが、この地域では、昔からその「水」の確保について先人達が苦労を重ねた地域でもありました。
昭和47年に利水ダムである永源寺ダムが完成したものの、その後も水の確保については悩まされ、そして、その時期以降に整備されたきた水利施設も40年近くの経年の中で、老朽化が進んでいる厳しい現状がある地域でもあります。
そのために、今使っている水についても、いかに効率良くかつ上下流の不公平のないように水を分配するか気を配られているところでもあります。
調整池はダムより分配されてきた水を下流の利水者に対して、効率よく分配するための施設であります。
農業生産の為に、生産者も負担金を払い使用している農業用水ですが、その苦労を知ってか知らずてか、心無い人達が水利施設にゴミを投げ捨て、その処理に管理者が苦労しているというお話も職員さんからお聞きしました。
また、山間部を通る幹線水路では、獣害としても問題となっている「シカ」が用水路に飛び込んで死んでしまい、そのことで水路が閉塞し、水が送れないということも多々あるとのこと。その場合も職員さんが出動し、重量も大きい死骸をまさに手作業で処理しないといけない状況となっております。
こちらがその用水路
メインの永源寺ダムも久々見学させて頂きました。
今年は比較的多く水が貯水されている様ですが、それでも度重なる堆砂によって、貯水容量が減少してきています。今、新たな用水確保の方策として、この土砂浚渫と、ダム湖底の掘削が検討されているところでもあります。
しかし、大きい。小規模ながら関西電力の発電設備も備えております。
まるまる一日かけて、述べ90㎞ほどを走りました。用水路末端部では、「集水堰」も見学させて頂きました。自由面地下水を集めているので、天候によって水の集まりが変化します。年々減っていることも心配されておりました。
上下水道とは違ったこの農業用水、東近江地域の大穀倉地帯を賄っているだけに、その幹線延長も膨大な距離になっています。普段、単純に地図上の「線」を目で追うだけでなく、実地で立体的なイメージを持てたことは、参加県議会議員皆さんが述べておられました。
いよいよ、頭を垂れる稲穂ではありますが、
その収穫の陰で、生産者、また用水管理者が、「水」の確保のために格闘していることを、ぜひ消費者の方にもご理解頂きたいと思った調査でありました。