畳の上で死ぬこと
2007年 06月 17日
長野県泰阜村の佐々木学診療所長を招いて、「在宅死」のあり方について学びました。
泰阜村と言うと、以前、田中康夫知事が住民票を移したことでも話題にもなりましたが、
伊那の山間のこの村は、在宅福祉の先進地として有名です。
そこで、医療から介護までを一手に引き受けている、佐々木医師は、
これまで多くのお年寄りを、彼らの自宅で看取ってきました。
ユーモアたっぷりに話される、先生の人柄を見ていると、こういう人柄への信頼があるからこそ、在宅死や地域医療が成り立っているんだと実感。
また、小さな田舎の泰阜村だからこそ、「地域」の文化や伝統に根ざした、コミュニティがしっかり残っており、そのような住民相互の信頼があるからこそ、介護、福祉、医療が成り立っているという部分にも納得。
先生もおっしゃるように、少し都会というか、発展してきている町では、なかなかそうはいかない。
だから、「在宅死」を望む人がいても、なかなかそこまでは持っていけない現状があると。
畳の上で、死ぬ。
家族に看取られて死ぬ。
生まれてきたからには、いつかは旅立つ時が来る。
最後くらいは、理想の形に持っていける社会というのが、「幸福」な社会ということでしょうか。
とすると、日本はまだまだ不幸な社会ですか、ね。