滋賀県議会

琵琶湖総合保全整備計画

いよいよ9月定例会も明日12日の本会議採決を残すのみとなりました。

先週は、各常任委員会・特別委員会での審議が行われておりました。

一般会計の補正予算と共に、

私が、所属する環境・農水常任委員会では、

「琵琶湖総合保全整備計画」(マザーレイク21計画)の第二期改定案が議題としてあがっておりました。

これについては、昨年度より、この環境・農水常任委員会で経過報告を受け、審議を進めてきたものであります。

1999年度からの第1期計画が2010年度で終了したことに伴い、新たに2020年度までの第2期計画を定めるものですが、

そこには、まず基本理念として

「琵琶湖と人との共生(琵琶湖を健全な姿で次世代に継承します)」

が掲げられ、

次に

2050年度の琵琶湖のあるべき姿が掲げられております。

「琵琶湖の水は、あたかも手ですくって飲めるように清らかに、満々として」

のフレーズに始まり、四季それぞれの琵琶湖周辺の風景が語られ、

「近所の水辺には遊んでいる子どもたちの笑い声が響き、子どもたちを温かく見守っている大人たちの姿がいつもあり」

と続き、

最後に

「どの生業(なりわい)も地域に深く根を下ろし、働くことへの悦びに人びとの顔が輝き、語り合い、ともに支え合い、湖への感謝の心と気づかいをつねに忘れることなく、琵琶湖を中心とする自然の大きな環のなかに、人びとの輪に根ざした暮らしがある」

で結ばれています。

このあるべき姿を実現すべく、以下、基本方針・県民協働・保全の為の規範と続くわけですが、

先週の委員会では、採決を前に、その内容云々より、これだけ「壮大」な「計画」を如何にして、「140万県民」に落とし込んでいくのか?ということについて質疑させて頂きました。

担当課長からは、

「フォーラムの開催であるとか、琵琶湖保全に取り組んでおられる自治会等での環境塾の開催を通じまして・・・」

と回答がまずあったわけですが、

「それは従来の方法で、琵琶湖に関心のある人、保全に取り組んでいる人は放っておいても、活動して頂けるわけで、フォーラムにしても何にして、関心のある方は来るわけだし、逆に、関心のある人しか来ないとも言え、そういう手法だけでは、県民全体への広がりはないのではないですか」

と再度聞き返しましたが、

「県の職員が、自治会なんかも訪問するようになるべく致しまして・・・」

との回答

「マンパワーにも限界ありますよね」

「・・・」



これは今までのやり方なんですよね。

この計画だけではないですが、

県の様々な計画等に記載されている「県民」という言葉は非常に「抽象度の高い」言葉で、

その「県民って具体的にいったい誰のことなの?」と思うことがよくあります。

県の真ん中に、「琵琶湖」を抱え、環境県をうたっているだけに、なんとなく県民全体が琵琶湖に関心のあるイメージを持とうとしているのかもしれませんが、

他府県からの流入人口も増え、都市化もどんどん進んでいる中で、琵琶湖に思いを寄せている人と、無関心な人の二極分化はこれからますます進むであろうし、より具体的に言うと、琵琶湖や川辺だけでなく、それを取り巻く田畑や山里の森林の保全に対し、それこそボランティアで様々な活動を行っている人々と、その果実だけを何の労もせず得るフリーライダーの二極分化はますます進むと思うのであります。

2050年のあるべき姿を目指すためには、そうした「無関心」な人びと(県民)こそ、この「計画」を熟読すべき対象であり、その為の手法とは、「関心」のある人にメッセージを発すること(その事は大事であり、否定はしませんが)だけではないでしょう。


私の私見ですが、

県政全般とは言いませんが、せめて県の最上位計画の「基本構想」や、この「琵琶湖総合保全整備計画」ぐらいは、学校教育の現場で、若い世代に落としこめないですかね。

2050年の姿に登場するのは、まさに今の若い世代なのだし、

自分たちが住んでいる地域のこと、大人になって関わっていかなければならないこと

を教えることって大事だと思うのですが。

この計画自体、10年という長期のものになっていますし、中学生だって高校生だって、いずれみんな、というかすぐに有権者・主権者になるわけだし、そういう意識づけの教材としても良いと思うのですが。

子どもらへの意識づけを通じて、家庭や地域にそれが敷衍する、そんな形がとれないものかと、

この「計画」の中身を熟読して思いました。
by ohminohito | 2011-10-11 21:10 | 滋賀県議会 | Trackback

滋賀県議会議員 木沢成人 が日々の活動等を記しています。滋賀県議会会派「さざなみ倶楽部」幹事長。東近江市蒲生赤十字奉仕団団員。近江市消防団員。日野ライオンズクラブ理事。滋賀県がん対策推進議員連盟幹事。彦根東高、早大卒。


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