滋賀県議会

お肉という「運命」

放射性セシウムが飼料用稲わらから検出されたことによる、「牛肉」騒動。

そんな最中、月曜日には県議会環境・農水常任委員会の県内行政調査で「滋賀食肉センター」を訪問。

平成10年に、「県内の食肉流通拠点を整備、管理運営することにより、食肉の効率的、衛生的な処理と流通の合理化を促進する。このことにより、安全な食肉を安定的に供給するとともに、食肉の生産、流通、消費等に関する知識等の普及啓発を行い、畜産業の発展ならびに公衆衛生、県民の食生活及び食文化の向上に寄与する」ことを目的として、

財団法人 滋賀食肉公社 が設立され、

食肉センターの整備が進められてきました。

今回、訪問した食肉センターはHACCP手法を取り入れた近代的施設として、平成19年4月に操業を開始し、現在に至っております。

食肉センターと言ってもイメージがわかない方もおられるとは思いますが、要は「お肉の総合工場」で、つまり「屠畜・解体処理・部分肉加工・冷蔵保管」を行うところであります。

センターの職員から、施設の概要説明を受けた後、施設内の見学へ

まずは、セリ場を見学。

ガラス越しに、牛枝肉の格付けを見ることができるようになっております。

お肉という「運命」_d0095954_23374349.jpg


加工施設内は、キャップ、マスク着用となりますが、この部屋では、各議員も外して説明を受けます。枝肉がぶらさがる光景は、テレビやお肉屋さんでも見られますが、間近でみると、牛の大きさに圧倒されます。大きいもので500㎏以上ありますから。

その後、

屠畜・解体ラインへ

さすがに写真は撮れずというか撮ってもアップできません。

同僚の女性議員の一人は、結局中まで入られませんでした。

両側をステンレス製の壁に囲まれた細い通路を進んできた牛は、これも両側がステンレス製の壁に囲まれている屠畜場所へと強制的に押し込まれます。そこへ入るとエアスタンニングという方式で、「バシュッ!!!」という音と共に、額に撃鉄をくらわせられます。すると牛は脳震盪を起こした状態で、痙攣し、目の前のフロアーへ横倒し。

今度はその牛の片足をチェーンで釣り上げます。この時は、まだ仮死状態なので、痙攣して動いていたりします。

その喉元に、職員さんが、鋭いナイフでまずはズバッと一突き。少し切り開いて、今度は心臓めがけて一突き。大量ではありませんが、鮮やかな「血」がフロアに流れ落ちます。

これで「南無阿弥陀仏」です。

その後、食堂を結さつし、角と前足が切り取られ、チェーンにぶらさがったまま、次の作業工程へ、コンベアー移動します。

はっきり申し上げると、写真や映像で流したら、気の弱い方は気分が悪くなるであろう、そんな光景です。

しかしながら、これが「お肉」を食するという現実でもあります。

毎日、毎日、何百頭もの牛が、あの工程の中、自らの「命」を落とし、そして「お肉」という形で、他の生命の源となる。光景は残酷でありますが、これがまさに自然の摂理。

県関連施設ということで、県議会議員の立場で視察しましたが、本来、高校生くらいが、教育目的で見学すべき施設だとも思いました。ショックを受ける子も少なからずいるとは思いますが。

施設の外には、こうして命を落とす多くの牛・豚の為に、畜魂碑が建てられております。

お肉という「運命」_d0095954_23575558.jpg


職員さんは、作業前、ここで手を合わせます。

我々も、その魂に対して、合掌致しました。


こういう光景を見たら、
当分、お肉が食べられないだろうと一般に思われるかもしれませんが、私はむしろ逆に、眼前に出てきたお肉は、どんな場面においても残さず食べなければとの思いです。


昨今の放射性セシウムの牛肉汚染問題においても、

本当に危険なレベルであれば別ですが、毎日、毎日大量に食べる食品でもないわけですので、神経質になりすぎるのはいかがかと思います。

汚染問題に対しては、当人に何の落ち度もない中、命を落とした「牛」さんのなれの果ての姿である「お肉」に対して、敬意をはらうべきではありませんか。
by ohminohito | 2011-07-27 23:22 | 滋賀県議会 | Trackback

滋賀県議会議員 木沢成人 が日々の活動等を記しています。滋賀県議会会派「さざなみ倶楽部」幹事長。東近江市蒲生赤十字奉仕団団員。近江市消防団員。日野ライオンズクラブ理事。滋賀県がん対策推進議員連盟幹事。彦根東高、早大卒。


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